■「劣等感というか嫉妬を抱いていました」

 とはいえ、プロサッカー選手でる以上、試合に出られないことでさまざまな思いがよぎる。知念は、「僕の人生の中で、同じポジションにあんなすごい代表クラスの選手がいたことがなかったので、最初はすごい劣等感というか嫉妬を抱いていました」と、素直な気持ちを吐露した。

 それでも、「徐々に2人の姿勢を見て気持ちも変わってきて、2人を超えていかなきゃいけないなと思いました」と語る。2人と切磋琢磨し、そして競いながらもアドバイスをくれたからこそ、「自分を成長させてくれた存在」と話す。

 そして、川崎というクラブだからこそ、知念は他のポジションの選手からも刺激を受けていたと明かす。チームはここ数年で海外移籍を果たす選手が増えている。現在開催されているカタールワールドカップの日本代表メンバー26人にも、川崎ゆかりの選手が多く選ばれている。

「毎年毎年、自分より若い選手が台頭してきて、どんどん外に羽ばたいてって、下からも上からも学ぶべきことがあったので、いろんな世代から刺激を受けて、自分自身も試行錯誤しながら取り組んで、それが報われないときもありましたけど、やり続けることで多少結果を出してきた部分もあったので、チームメイトから受けた刺激っていうのは自分の成長につながったと思います」

 等々力と麻生で積み重ねた成長を、来季はライバルチームの一員として披露する。

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