■残酷なペナルティ・シュート・アウト

 追いついたものの強味なのだろうか。

 準優勝を経験しているチームとしての自信なのだろうか。

 日本がうたった新しい風景は具体的にはクオーター・ファイナルというステージ。

 順当にいけばそこにはブラジルが待っている。

 そこでのブラジル戦は結果とは関係なくしびれただろう。

 だが、120分戦った後のペナルティ・シュート・アウト(PSO)は残酷だ。

 傍観者にはスリリングな面白いアトラクションだが、当事者には気の毒なくらい酷だといつも思う。

 入って当たり前のペナルティキックだが、キッカーにとってその枠は恐ろしく小さく狭く見えるという。

 日本サポーターの目の前という好条件で始まったPSO。

 第1のキッカー南野拓実はギャンブルをしなかった。コースはほぼ正面、甘すぎてGKドミニク・リバコビッチに簡単に止められてしまった。

 2番目のキッカー三笘薫も失敗。

 浅野拓磨は成功した。

 権田修一が1本を止めたが、神妙にボールに祈ってから蹴った4番目のキッカー吉田麻也も失敗。

 5人目のキッカーを待たずに勝負はついてしまった。

 話題を提供した日本のカタール大会は終わった。

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