■長期間のチームづくりの成果
――コンディションより、今までのケミストリーを重視したということでしょうか。
大住「登録メンバーが26人になったというのは、すごく大きかったかもしれない。保険をかけやすくなったから。冨安健洋や、まったく試合に出ていなかった浅野拓磨を入れられたのは、26人だからだと思うけど」
後藤「浅野や板倉滉といったメンバー選考の時点で負傷を抱えて試合に出ていなかった選手を選んだことと、選んでからケガをした選手は分けて考えるべきだけど、板倉も浅野もプレーしたんだから、とにかく成功したわけですね。史上初の11月開催の影響か、どのチームもケガ人が多かったけど、日本は本当に運が悪かった。これだけ多くのケガ人が出たのは誤算だったけど、その中でよくやり繰りして強豪国に勝ったよなと感心する」
大住「森保監督もそうなんだけど、全選手がよくやった。谷口彰悟らシーズンを戦い抜いたJリーグの選手も含めて、チャンスを得て試合に出た時に質が落ちなかったよね。日本サッカーの成長の証明だと思うし、そういう意味ではポジティブなものがある大会だったんじゃないかな」
後藤「森保監督たちがラージグループをつくって、相当時間をかけてチームづくりをしてきた成果だよね。いくら優秀な選手がいても、いきなり呼んですぐに代表でできるほど日本の選手の成熟度はまだ高くないはず。オリンピックを含めて代表チームでやってきた選手が大勢いて、その中から選べたというのは、やはりチームづくりの成果だよね」