「サッカーは世界をつなぐ」 アメリカメディアが投稿したカタールワールドカップ・イラン戦後の"4枚の写真"に世界が反応「この写真がすべてを物語る」の画像
イランとアメリカの選手の試合後の様子が、感動を呼んでいる 撮影:中地拓也

 アメリカメディア『ESPN』はSNSに、カタール・ワールドカップでのアメリカ代表vsイラン代表の試合後の写真をアップ。この投稿に、世界中に感動と共感の声が広がっている。

 アメリカ代表とイラン代表は現地時間11月29日、突破を懸けてグループ第3戦で激突した。アメリカはここまで2引き分けしており、決勝トーナメント進出に向けて勝利は必須。イランは引き分けでも決勝トーナメントに進む可能性があるとはいえ、互いに大きな緊張を抱えて臨んだ一戦だった。

 試合は開始直後からアメリカ代表が積極的にゴールを目指し、前半のうちに先制。イランは後半に入り選手やシステムを変えるなどして反撃したが、スコアは動くことなくゲームは終了となった。2大会ぶり出場のアメリカ代表が逆転でグループ2位に浮上し、グループ突破を果たしている。

 イランがアジアで強国の地位を確立している一方、アメリカはサッカーが盛んになってから日が浅い印象があるが、実はW杯での成績はアメリカが上回っている。現行方式になってからアメリカが4度決勝トーナメント進出を果たしているのに対して、イランは出場した6大会すべてでグループ敗退を喫しているのだ。

 今大会、イランは大きくグループ突破に近づいていた。大きなチャンスだったからこそ、その分だけ悲しみも大きいはず。試合後には、涙を落とす選手たちもいた。

 そんな中で『ESPN』は、アメリカ代表の選手たちがイラン代表の選手に手を差し伸べ、手を取り合う姿を投稿している。公式ツイッターには4枚の写真を1つにくっつけたものがアップされた。

 地面にひざを突いて立ち上がれないアボルファジ・ジャラリと手を握り、首に手をまわして抱きしめているのはアントニー・ロビンソンだ。イランのラミン・レザエイアンとアメリカのユヌス・ムサは、がっちりと肩を組んでいる。両国の間には政治的緊張もあり、うがった見方をされかねない顔合わせだったが、ピッチ上には政治もネガティブな感情もなかった。

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