カタールワールドカップ(W杯)のグループEにて1勝1分けで首位に立つスペイン代表。第3戦で日本代表と対戦する同チームの特徴について紹介する。
■「圧倒的なボール循環」「CFの役割交代」
初戦のコスタリカ戦で7得点を奪ったラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の攻撃時における大きな特徴は、配置変換を行わないこと。マンツーマンで抑えに来られても基本的に配置を大きく変更することはない。
軸になるのは「圧倒的なボール循環のうまさ」だ。自分たちはできるだけ初期位置を保ちつつボールを動かして、それによって相手を動かす。そして守備ブロックに穴を作っていく。11人全員が余剰な時間とスペースを無駄にすることなく、的確なコースからパスをつないで相手ゴールへと迫っていける。
そして、CFであるマルコ・アセンシオの0トップ起用も特徴の1つ。縦へのパスコースがないときは同選手が中盤に下がってボールを引き出す。わずかなスペースでもターンすることができ、コスタリカ戦でもドイツ戦でもビルドアップを助ける役割を担っていた。加えて高いシュート技術を兼ね備えており、離れた位置からでもゴールに直接叩き込むことができるため厄介な存在だ。
そのアセンシオ以外で、「最初の」移動が許されていたのがペドリ。このバルセロナMFは機を見てセルヒオ・ブスケツの隣や左SBの位置に降りていき、前述したアセンシオの移動や左サイドのポジションチェンジを促している。もちろん自身がボールを持っても圧倒的なクオリティを発揮できるため、日本としては要警戒だ。絶対にフリーで前を向かせてはならない。
また、コスタリカ戦でもドイツ戦でも同様に、途中からアルバロ・モラタを投入してCFに据えていることも言及すべき点だろう。モラタもアセンシオのように下がって受けることはできるが、裏抜け要員という意味合いが強い。スピードが落ちてくる後半に、スペースを突くタイプのCFを投入してくるという点については、日本も注意したいところだ。