バルセロナ5人が先発

 スペインのシステムは4-3-3。初戦のコスタリカ戦から1人を変えただけで第2戦に挑んだ。日本代表が2戦目で5人を変えたのとは対照的な選考といえる。

 その強みは、セルヒオ・ブスケツ、ペドリ、ガビの3人で構成される中盤だ。この3人は同じバルセロナに所属していることもあって、代表チームの連携ではこれ以上ないものを共有している。なお、左SBのジョルディ・アルバと右ウイングのフェラン・トーレスもバルセロナの選手で、先発した選手の5人が同じチームとなる。

 その中盤を仕切るのがペドリだ。各方面に“出張”することが許されている背番号26は、各地でボールの受け手となるように顔を出しつつ、さらに、自らボールを運ぶ役目を持つ。ヌルヌルとした足捌きでボールの位置を変えるペドリを止めることは、ドイツ代表でも簡単なことではなかった。

 ブロックを敷いて待ち構えたドイツだったが、前半はスペインの巧みなボール回しを前に守備の基準を作ることが困難だった。日本代表がミュラーの前線での動きに翻弄されて人へのつき方に戸惑ってギャップを作られたのは異なるメカニズムで、日本と対峙した際のドイツよりも低い位置で違いやギャップを作ってくる。

 また、チームとしてボール保持時にボールホルダーに選手がかなり寄る傾向があり、それを生かして、ボールを奪われた際に素早く囲んで即時奪回を目指していた。攻撃時に人が寄るのは、パスコースを確保することと、奪われた際にそのまま奪回に素早く移れるからだ。そして奪回の際には、複数の角度を消しながら寄せている。

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