■ドイツの失敗
疲労がたまる最大の原因は試合そのものにある。
各大陸予選を勝ち抜いてきた代表チーム同士の戦いだけに、内容の濃い試合ばかり。それを集中して90分、いやアディショナルタイムを含めて110分ほど観戦するのは精神的にかなりの疲労につながる。
大住さんと違って、僕は日本でもよく1日2試合観戦をする。
あまり面白くない試合を2試合見るのも(特に寒い時期には)、それはそれで別の意味で辛いものだが、ワールドカップのようなレベルの試合を2試合見るのは、本当に精神をすり減らすような気もする。
さて、ドイツが後半なぜ崩れてしまったのかについてだが、やはり彼らはもうゲームが終わったような気になっていたんじゃないだろうか。前半はPKの1点しか取れなかったにしても日本を押し込み続けており、後半に入っても最初は前半の続きのような展開だった。
ドイツは中盤でイルカイ・ギュンドアンが見事にパスを散らして、そしてギュンドアンはフィニッシュに絡んでもいた。左サイドを切り崩して伊東純也を守備に走らせることに成功したダヴィド・ラウムなどと並んでギュンドアンは最も怖い選手だった。
ところが、ドイツ代表のハンジ・フリック監督は67分にギュンドアンを交代させてしまった。僕は、第4審判が交代のボードで「21」を示したのを見て、「あれ、もう替えてしまうのか」とちょっとびっくりした。森保一監督が堂安律、南野拓実を投入して超攻撃的布陣を整えるのはその直後だった。
「ドイツの慢心」。それが大住さんの疑問に対する答えになるんじゃないだろうか?