■鍵になったタイミング
そして、そのときはやって来た。後半30分、途中出場の三笘薫、南野拓実、堂安律が絡んで同点に追いつくと、その8分後には浅野拓磨がスーパーゴール。ハーフタイムでの修正によって日本は絶望的な状況から這い上がり、見事な歴史的勝利を挙げた。
このように功を奏した後半頭からのシステム変更だったが、結果的に見れば、その“タイミング”も重要であったように思える。あれが前半途中での変更になっていると、ハーフタイムのうちに対策を練られてしまい秘策が水の泡になっていたかもしれない。
そう考えると、早い時間に2失点目を喫していれば、日本は前半のうちにシステム変更を実行していた可能性も少なからずある。最初の45分を最少失点差で切り抜けたことも大きな鍵になっていたのだろう。
ただもちろん、勝利を呼び込んだ要因は他にもたくさん存在する。
圧倒的な個の力を見せつけられながらも90分間で1失点にとどめたこと。GK権田修一がベストパフォーマンスを見せたこと。途中出場の選手が素晴らしい入りを見せたことなど。数々の歯車にハーフタイムでのシステム変更が噛み合い、堂安と浅野のゴールにつながって、森保ジャパンは大金星を挙げたのだ。