「アートだ」ウルグアイ代表のカタールワールドカップ26人メンバー発表動画が”感動的だ”と700万回再生!  ストーリー性も高く「間違いなく最高のメンバー発表」と絶賛の声の画像
カタールW杯が近づいてきた 写真:渡辺航滋

 ウルグアイサッカー協会は、カタール・ワールドカップに挑む26人の選手を発表した。その際の映画のようなメンバー発表の動画が700万回も再生され、世界中で話題となっている。

 ウルグアイサッカー協会は11日、今月開幕するカタールW杯に臨む26人のメンバーを発表した。エディンソン・カバーニやルイス・スアレスといったベテランのほか、負傷により一時はW杯行きが絶望視されていたロナウド・アラウホらが選出された。

 多くのタレントの中から26人が選びされることだけでもニュースだが、今回はメンバー発表の仕方自体が話題になっている。発表に際して公開した動画が、秀逸すぎるのだ。

 ウルグアイサッカー協会は、代表チームのツイッター公式アカウントで動画を公開した。2分59秒という短さながら、心に強く訴えかけるものがある「作品」だ。

 冒頭に「Visit Uruguay」というロゴが出ることから、観光客呼び込みを意識した国のプッシュも後押しとなっていると予想されるが、そうした裏側の事情など関係なく、見事な出来となっている。まずは映し出されたディアゴ・アロンソ監督が、難しそうな顔でテーブルの上に地図を広げる。しばらく視線を動かした末、指差したのは国境のリベラ県だった。

 画面は変わり、道路を走る車窓から中心都市リベラまでの距離が示された標識が映し出される。現地に到着したのであろう、土の上ではボールを蹴って遊ぶ子どもたち。その中の一人が、掲げていたユニフォームを裏返す。その背にあったのは、アラウホの名。リベラで生まれて代表選手にまで上り詰めた選手である。現在の栄光とルーツのつながりが強く意識させられる、ストーリー性もばっちりの動画だった。

 その後も、アロンソ監督の指は地図の上を動き続ける。次にアルティガス県を指差すと、続いて現れるのは洗濯物を干している女性。2つの洗濯バサミで止めたユニフォームを広げると、そこにはアルティガス出身のダルウィン・ヌニェスの名前があった。

 カップルがうれしそうに掲げるスアレスのユニフォーム、代名詞である背番号21のシールの先で徐々にピントがあっていくカバーニの顔と、次々とW杯を戦う選手たちが明かされていく。

 そして、動画はこうした言葉で締めくくられる。

「26人の選手たち」
「300万人のファン」
「1つの国が見る夢」

 この間、言葉はひとつも挟まれていない。一体となってW杯に臨むことを、無言のうちに宣言したのだ。

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