■相手のクリアミスを見逃さず、熊本が追いつく!

 高木の蹴ったボールは味方につながらず、熊本のGK佐藤優也にわたる。佐藤はすぐにボールを蹴り返すと、途中出場のFW粟飯原尚平がヘディングで後方へすらす。このボールを大分DFがクリアしようとするが、左足は空を切ってしまう。熊本FW坂本亘基がすぐに反応してボールを収め、ペナルティエリアへ侵入する。飛び出してきたGKをかわして左足でシュートへ持ち込み、熊本が同点に追いついた。

 大分からすれば、自分たちのミスが失点につながってしまったとの思いだろう。一方の熊本にとっては、狙いどおりの得点だった。同点弾を決めた坂本は、「スカウティングでFWが競った後は後ろにこぼれてくる、と言われていた」と語る。空中戦を競った粟飯原も、「自分が競るときは裏に走るというのがあった」と話す。相手守備陣のミスもあったとはいえ、熊本からすればしてやったりの同点弾だったのだ。

 ここから試合はさらに動き、熊本が90+2分に2点目をあげれば、大分も90+8分に追いつく。2対2で試合終了のホイッスルを聞き、熊本が11月6日の2回戦進出を決めたのだった――。

  1. 1
  2. 2
  3. 3