「営業も人材採用とフォーメーション選択など戦略的な部分から始めたい」【新シーズンスタートのWEリーグ「高田春奈チェア」インタビュー】(2)の画像
高田チェアはWEリーグの新しい成長の道を探っている 撮影/サッカー批評編集部

 日本に初めて誕生したサッカーリーグがある。女子プロ選手によりWEリーグである。10月には2シーズン目となる2022/23シーズンが開幕した。日本サッカーの発展のために大きな期待がかかるWEリーグの高田春奈チェア(※「高」の文字は正しくは、はしごだか。以下、略)に、サッカージャーナリスト・大住良之が話を聞いた。

■女子サッカーには伸びしろがある

――経営規模の話が出ましたが、クラブだけでなく、リーグの収益も課題ですね。

高田 法人ができて2年間。WEリーグの立ち上げをやって下さった方々は本当に大きな苦労をされてきたと思うのですが、リーグの経営規模はもっともっと上げられると、私は思っています。私がやってきたJ2のクラブで2021年度の平均営業収益が約15億円。サッカーだけでなく「Women’s Empowerment」といういまの日本の社会で意義の大きな理念を掲げるWEリーグが10億とか11億では、「努力していかなければ」と思います。

――日本サッカー協会の登録選手数を見ると女子選手は3万人に満たず、全体の3.4%程度なのですが。

高田 サッカーは世界で最も人気のあるスポーツです。いま競技人口が少ないというのは、課題であると同時にポテンシャルでもあると、私はとらえています。すごく大きな「伸びしろ」があるということですからね。それになでしこジャパンの世界一という記憶を、みんながもっています。

――リーグの経営規模の話をもう少しおうかがいしたいのですが。

高田 サッカーの仕事をする前、私は広告の仕事をした時期もあって、スポーツ協賛のお手伝いなどもしてきました。企業がどういう意思決定でおカネを出すのか、その規模感などの感覚はあるつもりです。私たちがやっていることに対して、本当におカネを出したいというところはしっかり出してくれると考えています。先日、男子ももたれているクラブの方と話す機会があったのですが、「女子だから支援したいっていうスポンサーさんもいらっしゃるんですよ」という話を聞いて、その意を強くしました。私たちの理念や、選手たちが一生懸命にがんばっている姿を見せていくことによって、新しいパートナーを増やすことは可能だと思っています。

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