モンテディオ山形が、J1参入プレーオフへの出場権をつかんだ。最終節で2つ順位を上げての大逆転に、号泣する選手の姿があった。
今季のJ2では、優勝したアルビレックス新潟と横浜FCが、すでに来季のJ1でのプレーを決めていた。残る昇格枠は、あと1つ。プレーオフを勝ち抜いた末にJ1の16位チームと入れ替わる道のみだった。
そのJ1参入プレーオフも、席はあと1つしかなかった。最終節を前にして、ファジアーノ岡山の3位が確定。4位と5位は入れ替わる可能性があったものの、ロアッソ熊本と大分トリニータが、プレーオフ1回戦のホーム開催の権利を争う状況になっていた。あとは3位の岡山と対戦する6位にどのチームが滑り込むか、だけだった。
同時刻キックオフの最終節が始まる前には、徳島ヴォルティスが6位につけていた。ベガルタ仙台が同じ勝点62で7位につけていたが、得失点差は8もの差がついていた。だが、最大の懸念があった。勝点2差のモンテディオ山形と、相手のホームに乗り込んで直接対決しなければならないことである。
山形にしてみれば、勝つしかない状況。その割り切りが良い方向に出た。前線からアグレッシブな守備をして、徳島を押し込んでいた。
その勢いは結実する。徳島GKのビルドアップのパスを狙った山形は、高い位置でボールを奪うことに成功。すかさずゴールに向かうと、ディサロ燦シルヴァーノが先制点を決めたのだ。
山形にさらに追い風が吹く。前半20分には最終ラインの裏に抜け出した山形FW加藤大樹をつかんで倒した徳島DFエウシーニョにこの日2枚目となるイエローカードが提示され、山形が数的優位に立ったのだ。
さらには後半13分、右サイドの見事な崩しから、最後はディサロがこの日2点目となるゴールで追加点。山形は後半アディショナルタイムにもゴールを奪い、3点をリードした。