■組織としての対応力を高められるか
まず「相手のプランBに組織として対応できなかった」という意味では、ロシアW杯でのベルギー戦に似ている。こちらの2点リードになると高さを使った戦術(プランB)に変更され、そこから一気に守勢に回った試合だ。
また、「相手の巧妙な配置に対して守備戦術を素早く修正できなかった」という意味では、アジアカップ2019決勝のカタール戦に似ている。こちらが4-4-2でプレッシングを仕掛けているのに対し、相手は3-5-1-1の配置。噛み合わせがハマらないまま綺麗に崩され、前半はほとんど何もできなかった。
アメリカ戦は、この2試合ほど何もできなかったというわけではないが、構造としては類似している。今回は結果が「勝利」だったためあまり注目はされていないが、相手のプランB(配置変更)に対して修正しきれなかったという事実は大きい。今回のゲームにおける最大の問題点と言っていいだろう。
本番で当たるドイツやスペインであれば、プランBへの変更はもっと早いだろうし、攻撃の威力も段違いだ。ロシアW杯ベルギー戦やアジアカップ2019決勝のような敗戦は、もう繰り返したくない。
2度あることは3度あるのか。それとも3度目の正直となるのか。
防戦が予想されるドイツ戦とスペイン戦までに、組織としての柔軟な守備修正力を磨いておきたいところだ。