【J1分析】浦和対湘南「どちらにとっても後味の悪い引き分け」浦和サポーターが怒った「らしくない」部分【浦和レッズvs湘南ベルマーレ】の画像
抗議する湘南の選手たちに説明する岡部拓人主審 浦和レッズvs湘南ベルマーレ(20220917)撮影/原壮史
浦和レッズvs湘南ベルマーレ(20220917)

【明治安田J1リーグ 第30節 湘南ベルマーレvs浦和レッズ 2022年9月17日 19:03キックオフ】

 5分と表示されたアディショナルタイムは、いつ終わってもおかしくなかった。

湘南はコーナーキックを獲得し、阿部浩之がキッカーとしてボールをセット。ゴールキーパーの谷晃生がハーフウェイラインまで出てきて大声と身振りで指示を飛ばし、間違いなくこれが最後になるであろう攻撃の準備を進めた。

浦和の守備も、これで終わり、という認識で総出だ。

両チームの、さあラストプレーだ、という緊張感が高まった次の瞬間、試合終了の笛が吹かれた。

 湘南の選手たちは当然猛抗議をした。

 岡部拓人主審は時計を示し、理解を求めた。この時、中継映像では『95:37』だった。5分と表示されていたアディショナルタイムは、90+6分台に突入していたのだ。試合が終わる正当な理由はあった。

 しかし、簡単に納得できるタイミングではなかった。

 もし、ボールがラインを割った瞬間に終了を伝えられていれば、コーナーキックだったのに、という抗議はあれど、今がラストプレーだった、という納得の仕方ができる。

指示を出す谷晃生 浦和レッズvs湘南ベルマーレ(20220917)撮影/原壮史

 守備側の浦和の選手たちはどうだったのかというと、リスクが回避されたことを喜ぶのではなく、やや拍子抜けのままピッチ中央へ歩いて行った。。

 攻撃側が、たとえゴールにならなかったとしてもプレーさえあれば納得できたように、守備側も、やる、というモードになった以上、跳ね返してすっきりと終わりたかったのかもしれない。

 ラストプレーに備えてスイッチを入れ直していたのは選手たちだけではない。サポーターも、熱を帯びた後だった。楽しみを取り上げられたような後味の悪い幕切れになってしまい、湘南サポーターから思わずブーイングが飛んだ。

PHOTO GALLERY 浦和レッズvs湘南ベルマーレ(20220917)
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4