■両チーム5人ずつ交代

 レモンガススタジアムのピッチで両チームの明暗を交代選手が分けた。川崎はハーフタイムに2枚替えを敢行したのを始め、後半に3回の交代を行った。上限となる5人のフレッシュなメンバーをピッチに送った。一方の湘南も5人を使った。

 そんな状況で後半アディショナルタイムに湘南に白星をもたらしたのは、そのフレッシュな選手だった。決勝ゴールの場面。後半33分から出場した阿部が縦パスをフリックし、受け取ったのは後半17分出場の山田。そして、そのボールを再度、阿部が受け取ってシュートした。両チームの選手に疲労が見られる時間帯に、阿部の連続した動きと山田の冷静さが勝負を分けた。

 川崎も、宮城天のゴール前へのチャンス演出やヘディング弾を狙っての飛び込み、それから、小林悠の裏に抜けて胸トラップからの惜しいシュートもあったが、決めきることができなかった。そういう意味で、結果論にはなってしまうが交代選手の働きが左右した。すべての試合で交代選手が結果を出せるわけではないが、3連覇を狙うチームだからこそ、苦しい局面でそういう力強さが必要だった。

 リーグ4連勝を飾って暫定首位に浮上したものの、横浜F・マリノスとの勝点差は広がり再び正念場を迎えることとなった。とはいえ、今季ここまで何度も正念場を乗り越えてきた。次節・広島戦は、暫定首位となったチームが対戦相手となる。直接対決という意味でも、横浜FMを見据えた意味でも、川崎は白星だけを狙って決戦に備える。

PHOTO GALLERY ■9月3日/明治安田生命J1第28節 湘南ベルマーレ 2ー1 川崎フロンターレ の写真
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