【鹿島アントラーズ】欧州のエッセンスとフットサルの言語化能力・グループ戦術を注入か。岩政大樹監督にない「経験と視点」を補い、「革新」の鍵を握るコーチ陣とともに巻き返しへの画像
鹿島アントラーズの岩政大樹監督 撮影:中地拓也

 鹿島アントラーズは8月29日、トップチームの新たなコーチングスタッフとして坪井健太郎氏、鈴木隆二氏、咲花正弥氏が就任することを発表した。

■欧州サッカーとフットサルの要素、そして革新をもたらすコーチ陣

 鹿島では8月7日にレネ・ヴァイラー監督、ドラガン・ムルジャコーチ、マヌエル・クレクラーフィジカルコーチとの契約解除が発表され、翌8日に岩政大樹氏がコーチから指揮官に昇格。新監督就任に際して以下のようなコメントを残していた。

「今鹿島に求められているのは“新しい鹿島”を創り上げることです。そのために、伝統ある『これまでの鹿島』を正しく定義し、新しい時代の『これからの鹿島』を選手たちと一緒に、そして皆さんと一緒に、手探りで見つけ出していきたいと思っています」

 また自身のSNSでは、
「私はコーチングスタッフは多様な人材を集めるべきだと考えています。私に足りない経験や視点を補ってくれる人たち。そして、僕に『それは違うんじゃないか』と言える人たち」
「新生・鹿島は変化することを恐れない。伝統と革新です」
と呟いた。

 そんななか鹿島は、スペインでの豊富な指導経験を持つ坪井健太郎氏、スペインフットサルリーグやフットサル日本代表で指揮してきた鈴木隆二氏をコーチに、そしてドイツ代表ヴィッセル神戸などでフィジカルコーチを担当した咲花正弥氏をフィジカルアドバイザーとして招へい。岩政監督が経験していないヨーロッパでの指導経験を持つ3人の就任により、欧州サッカーのエッセンスを取り入れようとする試みが見て取れる。

 また、鈴木氏が携わってきたフットサルでは「パラレラ」や「ヘドンド」、「スリーオンライン」など、サッカーに比べて現象やグループ戦術が細かく言語化されている。サッカーチームがフットサルの要素を取り入れることも珍しくない。昨今の川崎フロンターレマンチェスター・シティでも、“フットサルっぽい”動きが散見されるとSNSを中心に話題になったこともある。岩政監督は鈴木氏の力を借り、言語化を以て選手間の意識共有を強め、グループ戦術を落とし込もうと試みるのかもしれない。

 現在鹿島には、クラブの「伝統」を知る岩政監督やコーチングスタッフがいる。新たに就任した3人のは、その「伝統」に欧州のエッセンスとフットサルの要素を取り入れ、鹿島に「革新」をもたらすための鍵を握っているはずだ。

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