■120分のユンカー弾、そして西川の2連続セーブ

 延長前半はお互いにゴールを許さなかったものの、116分にスコアが動いた。揺れたのは、浦和のネット。

 ショートコーナーの流れからゴール前に鋭く低いクロスを上げられると、クリアを試みたショルツの足に当たりオウンゴールとなってしまった。  

 試合は残り4分となったが、決勝を目指す浦和はもちろん諦めない。  

 120分、酒井が深いスライディングタックルでボールを奪ってモーベルグが持ち運ぶと、オーバーラップした酒井のもとへ再びボールが渡る。  

 酒井はファーサイドにクロスを上げてクリアされるも、これに大久保智明がワンタッチで合わせた。このシュートは枠を外れていたものの明本がヘディングで軌道を修正してゴールマウスに飛ばす。これはGKイ・ボムスに防がれたが、ユンカーが詰めて執念でネットを揺らした。    

 最後の最後に追いついた浦和は、後攻になったPK戦でも流れをつかんで離さない。  

 GK西川周作が最初の2本を防ぎ、ショルツとユンカーがきっちり決めて一気に有利に立つ。相手の3番手には成功を許し、こちらの3人目モーベルグは止められてしまったものの、相手の4番手はポストに当てて失敗。ここで決めれば勝利というプレッシャーのかかる場面でキッカーを務めた江坂は相手GKの逆をつき、見事に成功させる。  

 これにて、PK戦までもつれる激闘を制した浦和が決勝進出を決めた。5年ぶりのACL優勝まで、あと2ゲーム。シーズン序盤で苦しみつつも復調を遂げ、総力戦で快進撃を続ける赤い悪魔がアジアを統べる。

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