■スローテンポだった韓国勢

 その華々しい試合に対して、韓国勢同士のラウンド16はスローテンポなものだった。

 全北と対戦した大邱(テグ)FCは12チーム中9位と苦しい状況にある。降格圏である10位の金泉尚武(キムチョンサンム)とは勝点わずか1ポイントの差である。そして、8月にはアレシャンドロ・ガマ監督が解任され、現在はチェ・ウォンクォンコーチが監督代行を務めていた。

 同じく下位に低迷している神戸が思い切った攻撃サッカーを選択したのに対して、大邱は「守備固め」を選択した。5人のDFがフラットなラインを作って全北の攻撃を跳ね返し続け、ボールを奪うとすぐにロングボールを蹴って前線の2人のブラジル人に預けるのだ。

 トップのゼカは高さも強さもある選手でロングボールを収めてポイントを作れるし、左サイドのセシーニャは中に切れ込んだり、中盤に下がったりと神出鬼没の位置取りをする曲者タイプ。つまり、この2人だけでなんとか攻撃の形を作れるわけだ。

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