■鬼トラップがハットトリックをもたらした!

 この鬼トラップでボールをしっかり保持すると、一度、橘田健人とパス交換してからゴール前にクロスを送る。ゴールに向かうような軌道を描いたボールは、走り込んだマルシーニョにピタリと合ってゴールネットを揺らした。家長の高い技術が生んだハットトリックと言えた。

 家長は、この試合で技術だけでなく声でもチームを引っ張った。川崎の勝ち越し弾が決まると、他の選手が喜んでいる中で家長はその輪に加わらず、チャナティップと動きの共有をしていた。身振り手振りを交えながら会話して縦への動き方などを示しており、勝利への執念を感じさせる場面だった。

 他にも、PKの場面でも家長は気持ちを途絶えさせなかった。川崎が奪ったPKだったが、福岡の選手は主審を囲んで強く抗議。なかなか試合が再会しない中で、キッカーポジションに立った背番号41は目をつぶって喧噪から身を離して集中していた。

 キープ力やピッチ上でのアイデアなど、その存在は多くのものをチームにもたらす。川崎をけん引する背番号41が、逆転3連覇にチームを導く!

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