■マリノスの守備スタイルが神戸の攻撃方法に機能できなかった

 マリノスの守備は、最前線のプレスから全てが連動して相手をどんどん追い詰める、というスタイルだが、この神戸の攻撃方法では最前線のプレスというきっかけがないまま相手のボールが動くことになる。マリノスのプレスは機能せず「前のプレスのかけ方に後ろは合わせる。それを崩すと僕たちのサッカーではなくなる」(實藤友紀)という、本来のスタイルと現実的な問題の狭間で苦しむことになった。

 神戸は、大迫に入ったボールを汰木康也佐々木大樹が回収すべく奔走。中央から左サイドにかけてコンパクトな状況の中でボールを確保すると、そこから右サイドでせり出した飯野七聖へと展開され、彼のスピードとクロスの精度が攻撃の核となった。

 神戸の戦い方は、普段とは異なるものではあるが、シンプルかつ明確なものでもあった。

ゴールを喜ぶ飯野七聖 ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス(20220818)

 しかし、マリノスはこれにハーフタイムまで対応できなかった。

 大迫と飯野の2人がキープレイヤーになっていることが、4バック全体で左右に動くというマリノスの特性の穴を突く形にもなっていたからだ。

 もちろん、これは偶然ではなくマリノス対策の1つだ。キャプテンの山口蛍は、過去のマリノスの試合を見て、ボールを逆サイドに展開されることを「嫌がっていると思った」と試合後に明かし、飯野は「大迫選手がいることでマリノスのスライドが難しくなると思った。逆サイド(酒井)から一気に振って仕掛ける形を作ろうと話していた。大迫選手に入った時には、僕が飛び出せばチャンスになる」と語っている。

PHOTO GALLERY ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス(20220818)
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