U-20女子日本代表が、世界の舞台で戦っている。U-20女子ワールドカップ連覇を目指す「ヤングなでしこ」は、連勝でグループ突破に王手をかけている。ここまで見えた強み、そしてこれからの課題をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■27本のシュートを放ったオランダ戦
日本は、開始直後の藤野あおばのミドルシュートに始まって90分間に合計27本ものシュートを放ち続けた。攻撃をシュートで終わらせたことで、カウンターの危険も回避できた。
だが、得点は23分の山本柚月の1点のみにとどまってしまった。
前半だけで13本ものシュートを放ちながらも、枠内に飛ばせたのはゴールを決めた山本のシュートを含めてわずか2本に終わったのだ。
もちろん、サッカーというのはいくら完璧に試合をしても運が悪かったらゴールが決まらないスポーツなのではあるが、シュートを枠内に飛ばすことはできるはず。チャンスはつかんでいるのだから、あとはゴール前でいかに落ち着いてシュートを打てるかである。
その意味では、唯一のゴールとなった山本の得点は見事なものだった。
キックオフ直後からチャンスをつかみ続けていた日本は前半の20分を過ぎると、さらに攻勢を強めて、右センターバックの田畑晴菜が高い位置を取って攻撃をサポートするようになっていた。田畑を起点に右サイドでシャドーストライカーの位置にいた天野紗や右ウィングバックの杉澤海星が絡んで分厚い攻撃を仕掛け始めたのだ。