■徳島ヴォルティス戦、0-2から追いついてみせた新潟
2位の新潟は13位の徳島ヴォルティスとホームで引分けた。
新潟は本間至恩、徳島は渡井理己と、背番号10が今夏に欧州のクラブへステップアップした共通点を持つチームの対戦は、アウェイの徳島が主導権を握る。4-1-2-3から3-4-1-2へのシステム変更が奏功した。
新潟CBの舞行龍ジェームズと早川史哉がボールを持つと、その視線に徳島の2トップが入ってくる。ボランチが落ちると、徳島のトップ下が2トップに連動して規制をかける。サイドへ誘導されて囲いこまれる場面もあり、新潟は攻撃の糸口を見つけられない。ビルドアップの入り口をふさがれてしまっている。17分には自陣でボールを失い、ショートカウンターから失点をしてしまった。
主将の左SB堀米悠斗が言う。
「徳島がいつもとシステムを変えてきて、そこに自分たちがアジャストする前に自分たちのボールロストから失点してしまった。ここ数試合連続して先制されているので、そこを課題ととらえていたにもかかわらず、難しいゲームにしてしまった」
28節のファジアーノ岡山戦は13分、29節のV・ファーレン長崎戦は14分に失点を喫し、新潟は勝利を逃している。追いかける展開は避けたかったはずだが、57分に2失点目を許してしまう。
徳島は失点数がリーグ最少だ。2点のビハインドは重くのしかかるが、新潟は仙台に次ぐリーグ2位の得点数を誇る。終盤に地力を見せつけた。
78分に直接FKから右SB藤原奏哉が、85分には堀米がネットを揺らした。両サイドバックのゴールで2対2の同点へ持ち込んだが、3点目を奪うことはできなかった。新潟は6月19日の22節まで無敗を誇ったホームで、このところ1分2敗と苦しんでいる。リーグ戦3試合連続で勝利がない。
松橋力蔵監督は試合後のフラッシュインタビューで、「選手たちが最後まであきらめず、追いつくことができたのは評価したいです」と話した。これで3試合勝利から遠ざかっているが、「どこのチームも接戦というか、厳しい戦いが続く。我々は続けていくしかない。何に目をむけるのかをぶらさずにやっていくことが大事だと思います」と、指揮官は自分たちに矢印を向けた。