■存在感抜群の長谷川
このセルビア戦で最も目覚ましい活躍をしたのは右サイドハーフのポジションに入り、後半はトップ下でプレーした長谷川唯だった。
前半の日本の攻撃のほとんどが長谷川が絡んだ右サイドからのもの。日テレ・ベレーザ時代から培ってきたサイドバックの清水とのコンビネーションが完全に機能。長谷川は相手守備ラインの裏に走り込んだり、ポジションを下げて清水のオーバーラップを生かしたりと自在に攻撃を組み立てた。ゴールに直接からんだのは83分の千葉のゴールをお膳立てした右サイドからの強くて低いクロス。そして、やはり右サイドからクロスを入れて、セルビアのGKのファンブルを誘って5点目につなげたプレーだけだったが、豊富な運動量を生かした守備面での貢献も含めて、長谷川の存在感は群を抜いていた。
今回の遠征は欠場となった岩渕真奈とともに、長谷川がこれからの女子代表を引っ張っていく存在であることは間違いないし、もしかしたら、かつての澤穂希のように日本の女子サッカーを代表する選手となっていくのかもしれない。