2021ー2022年シーズン、ヨーロッパでは数多くの日本代表選手たちが躍動した。日本代表MF三笘薫が、ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ユニオンSG)で決めた今季のハットトリックは衝撃的だった。数的不利の状況で途中出場を果たして決めた驚異の3ゴールとは。
■衝撃のハット
2020年に筑波大学から川崎フロンターレに入団した三笘は、Jリーグでの活躍が認められて東京五輪後の2021年8月にプレミアリーグのブライトンへ完全移籍。代表経験のない同選手は、英国の労働許可証が下りなかったため、ベルギー1部に昇格を果たしたユニオンSGへレンタル移籍となった。
J1で圧倒的な力を見せていた三笘だったが、移籍当初は苦しい状況に。2021年9月12日に行われた第7節のヘンク戦で途中出場を果たし初出場。しかし、その後もリーグ戦では途中出場が多かった。だが、自らの力でこの状況を打開した。
すでにカップ戦で初ゴールを決めていた三笘が、2021年10月16日に行われた第11節のセラン・ユナイテッド戦で、リーグ初ゴールを含むハットトリックの活躍を果たすことになる。2点を先行されたユニオンSGは、前半終了間際にラザール・アマニが2枚目のイエローカードで退場処分となり数的不利の状況となってしまう。そして三笘が後半頭からの出場を果たし、リーグ戦では移籍後一番長い出場時間に。
55分、ペナルティエリア左で味方からのパスを受けた三笘が、細かいタッチのドリブルから右足で冷静にシュート。コントロールの効いた良いグラウンダーのシュートがゴール右に決まった。ここからが「三笘ショー」の始まり。1点を加えて同点としたユニオンSGは相手陣内でプレスをかけて奪うと、スルーパスをエリア左で受けた三笘がワントラップから右足で流し込んでゴールネットを揺らした。