■最初で最後の英国4協会そろい踏み

 ウェールズはワールドカップ初出場。今回の「欧州プレーオフ」の勝利で、そのとき以来、実に54年ぶり2度目の出場となる。1958年大会、ウェールズの出場は、欧州予選第1組イングランド、第8組北アイルランド、そして第9組スコットランドと、それぞれの組を勝ち抜いたチームとともに、「英国4協会」が初めてワールドカップでそろう大会となった。ちなみに、今日に至るまで、この「そろい踏み」は、このとき1回きりである。

 後にも先にもただ1回の「ワールドカップ予選敗者復活戦」で出場権を獲得したウェールズだったが、スウェーデンの舞台では第3組にはいってハンガリー、メキシコ、スウェーデンと3連続引き分け。日を改めて行われたハンガリーとの2位決定戦を2-1で勝ち、準々決勝に進んだ。そして最終的に初優勝を成し遂げるブラジルを相手にしてもよく戦い、0-1で敗れる。ブラジルの決勝点を決めたのは17歳の少年。ペレのワールドカップ初得点だった。

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