■プレーオフが持つ重み

 コロナ禍で各地域のワールドカップ予選が遅れ、今回の大陸間プレーオフは中立地であるカタールのドーハでの「一発勝負」となった。これはまったく初めてのケースで、「ワールドカップへの最後チケット」をかけた戦いは、常にホームアンドアウェーの2戦制で行われてきた。地域連盟をまたいでの試合。当然、「地球半周」クラスの長距離遠征となり、気候も環境も変わるなか、過酷な戦いとなる。

 幸か不幸か、日本はこの大陸間プレーオフに出場したことはない。今回のアジア最終予選では序盤に2敗を喫し、私は「アジア内のプレーオフ、さらには大陸間プレーオフまで戦わなければならないかもしれない」と覚悟した。その後の驚異の6連勝でグループ2位を確保し、プレーオフを回避できたが、私は、大陸間プレーオフまで勝ち抜いての7大会連続出場になったら、それはそれで小さくない意味があるのではと思っていた。

 「SAMURAI BLUE」にはない。しかし「なでしこジャパン」にはある。それも2回も。FIFA女子ワールドカップの2003年大会(アメリカ)と2007年大会(中国)の予選で、女子日本代表(なでしこジャパン)は2大会連続して大陸間プレーオフを戦ったのだ。

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