【日本代表対ガーナ代表 6月10日】
どこかうつろな目をした久保建英は三笘薫に近づいて行った。日本A代表戦初ゴールなのに久保に嬉しさを感じなかった。そうかといって入って当然という顔でもなかった。チームの3点目だったからというものでもなかった。
やっと生まれたゴールに、久保はそんな反応をした。
本当はうれしいに決まっている。でも久保は喜びのパフォーマンスはしなかった。もう日本代表デビューから丸3年が過ぎていた。
久保のゴールが、いつかいつかと新聞やテレビで取り上げられた期間はすでに過ぎ去っていた。
「喜ぶタイミングを見失ってしまった感じです。パスをくれた三笘選手のところに最初に行こうと思い、そのあとで何かしようかと迷っていたんですけれど、みんなが来てくれて」
巧みなドリブルでペナルティエリアに入りガーナのディフェンスを交わした三笘はマイナスの緩いパスを出した。