日本代表は6月10日、キリンカップサッカー2022でガーナ代表と対戦。6月シリーズの代表戦で上田綺世がスタメン出場で初の出場となった。ガーナ戦で見せたそのポテンシャルと大迫勇也の後継者に推す理由とは。
■上田が見せたポテンシャル
パラグアイ代表、ブラジル代表戦では出番のなかった上田だが、今回のガーナ戦で6月シリーズ初出場。センターフォワードの位置に入り、ゴールこそなかったもののポストプレーなどポテンシャルの高さを見せたと言えるだろう。今回のガーナ戦では久保建英や堂安律、三笘薫と東京五輪メンバーとの連係も申し分ない。後はゴールを量産できるかどうかだ。
TBSで生中継されたガーナ戦で解説を務めた福田正博氏、戸田和幸氏、槙野智章の元日本代表たちを唸らせたのが57分のシーン。上田はロングボールに対してガーナMFワカソ・ムバラクよりも先にジャンプし、ヘディングではなく胸トラップ。しっかりとボールを収め、堂安律へとパスを送った。フィジカルの強い相手に対して、空中戦で強さを発揮し競り勝った。しかもマイボールにしている。
それだけではなく、前半20分のシュートシーンでも上田の良さが出た。左サイドからの柴崎のクロスに上田が高さと強さを見せてヘディングシュート。ゴールとはならなかったが、クロスに対して高さでフィニッシュできるゴールゲッターらしさも見せた。山根視来のゴールシーンでは、山根にボールが渡った瞬間に柴崎岳がゴール前へ飛び込む一方で、上田はマイナスのパスを受けやすいようにポジションを修正。結局山根がゴールを記録したものの、あのポジションを取ることで山根の選択肢も増える。ストライカーとしてのポジション取りや判断は眼を見張る物がある。
さらに三笘のゴールシーンでは堂安とともにゴール前でボールに反応したことでGKが飛び込めず。ボールはそのままゴールに吸い込まれた。久保のゴールシーンもそうだ。三笘がドリブルで左サイドを突破すると、上田はスルスルッとニアサイドへ走り込む。上田がニアに入ったことでガーナDF2人がつられ、中央にポッカリとスペースが空き久保がフリーでシュートを放つことができた。ゴールはなかったが、日本の3ゴールに絡んだ。ゴールを呼び込む上田の力は必要だ。