スペイン『スポルト』紙が報じたところによると、バルセロナがウクライナのシャフタール・ドネツクに所属するブラジル人右SB、ドドことドミウソン・コルデイロ・ドス・サントスに興味を示し、調査に着手したという。
■攻撃的サイドバックの有望株
ドドは166cmと小兵ながら、俊足で敵陣深く切り込み、個人技でチャンスを創出するテクニックも併せ持つ攻撃的SB。ボディバランスにも優れ、堅固な守備も売りだ。現在23歳で、2016年にブラジルのコリチーバFCでプロとしてのキャリアをスタートした。2018年にシャフタールに移籍し、ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスへのレンタル期間を終え、19年シーズンからはウクライナの名門に復帰している。
過去1年でバイエルン・ミュンヘン、トッテナムといったクラブから2,500万〜3,000万ユーロ(約40億円前後)で提示されるほどのプロスペクトだが、これまでシャフタール側がオファーを蹴ってきた経緯がある。しかしながら、今般のウクライナ情勢の影響を受け、現在の契約を2025年まで残しているものの、今夏の移籍市場で動くことが有力視されている。
■戦火から離れトレーニングを継続
ドド自身は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて今年2月にブラジルに帰国済み。「故郷」であるコリチーバFCの施設に週3日で顔を出し、コンディションを維持するためにトレーナーをつけ、フィジカル、戦術、ポジショニング、フィニッシュ練習など多岐にわたるトレーニングを継続しているそうだ。
今年3月末のブラジル現地メディア『グローボ』の取材時には「欧州に戻ってプレーすることで頭がいっぱい」と熱意を示した一方で、現在のウクライナの状況についても「悲しいよ。シャフタールだけでなく他のクラブ、ウクライナという国そのものがとても難しい状況にある。自分を歓迎してくれた国に感謝しているし、シャフタールは自分の欧州でのキャリアの扉を開いてくれたクラブなんだ」と現状を嘆いた。
「今、向こうではサッカーのことよりも国の復興や、人々の健康について考えなくてはいけない状況になってしまっている」と嘆き、ウクライナに残ったチームメイトたちを少しでも助けるべく、こまめに連絡を取り合い、定期的に物資を送ることもしていると明かしていた。
■僚友たちが去就を決める中、ドドの行き先は
シャフタールに所属していたブラジル人選手としては、MFマイコン(コリンチャンスにレンタル)、Uー23ブラジル代表MFテテ(リヨンにレンタル)、DFヴィニシウス・トビアス(レアル・マドリー・カスティージャにレンタル)らが既に当面の活動としてプレーを再開している。シャフタールとしてはドドに残留してほしいのは間違いないだろう。
一方で今回噂が上がったバルセロナとしては、ダニ・アウベスにも似た攻撃的SBの有望株であるだけに、確保しておきたいはずだがーー。