■スペインに戻ると「職人」になってしまう久保
――今回が最後のオーディションでしょうか。
後藤「少なくとも、チームとして何かするのはこの6月が最後だよ」
――おふたりが推薦する旗手怜央も入れませんか。
後藤「そんなことはない。十分可能性はあるよ」
大住「日本代表に入ったことがあるからね。これまで呼ばれていなかった選手が入るのは、もう難しいね」
――ワールドカップ行きへ奮闘が必要な選手は誰でしょうか。
後藤「残れるのかどうか、一番怪しいのは久保建英だと思うな。結局、マジョルカでも最後は力を発揮できなかった。うまいのは間違いないけど、今の代表チームのためにどう役に立つかと聞かれたら、どうにもイメージできない」
――起用するなら右ウィングでしょうか。
後藤「そうなるんじゃないかな。あるいは、1点リードされて本当にどうしようもない場面で個人技に期待して出す、とか。ゲームをつくる段階での起用の仕方は、今の段階ではイメージできない」
大住「去年のオリンピックで、すごく伸びた感じがしたんだけどね。メンタリティーというか、試合に取り組む態度、体からあふれる表現などが、すごく良くなったように感じた。でもスペインに戻ると、すごく職人じみた、自分のことだけをするような感じになっちゃう」
後藤「だから大事な1部リーグ残留争いで、ハビエル・アギーレ監督は、やはり久保には頼れないと判断したんでしょ」
大住「アギーレが話しているのは、まさにそういう点だと思う」
後藤「プレーを見たら、誰だってそう思うよ。自分たちがボールを握って何でもできるような試合なら、彼のテクニックを見せてもらえたら楽しくていいだろうけど、押し込まれる展開が長くなるであろう試合での起用法は、どうにもイメージできないね」