日本代表は6月、ブラジル代表などとの4連戦に挑む。開幕まで半年を切ったワールドカップに向けて、重要な準備期間となる。中3日で試合が続き、「模擬ワールドカップ」とも言える6月シリーズを、いかに本番での躍進につなげるべきか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くす。
■ブラジル戦で期待すること
――ブラジルが本気で来たら、どんな結果になると想像しますか。
後藤「負けるかもしれないけど、そんなにひどい目には遭わないと思うけど」
大住「仮に吉田麻也と冨安健洋がいなくても、そんなにひどくはならないと思うね」
後藤「この10年くらいでの対戦を振り返ると、ブラジルは日本に適当にボールを持たせておいて、ゴール前だけは締めておいてカウンターで楽をして勝つ、という試合をやってきている。今回もそういうやり方でくるのか、それとも今回はもっとガンガン来るのかな」
大住「ブラジルが他のチームと最も違う点は、相手ゴール前30メートルの質や速さなんだよね。そこで本当に個人でもコンビネーションでも滅茶苦茶速い。それに振り回されてボールの奪いどころをつかめなかったら、3、4点ぶち込まれてもおかしくないよね。しかも今のブラジルだったら、前からボールを奪いにくると思う。前線の選手の速さを活かすには、それが一番効果的だから。そうなると、中盤でスペースを与えてくれないけど、逆にそこを突破できればチャンスが来るかもしれない」
後藤「そうなるとしたら、去年の東京オリンピックのスペイン戦のように、耐えて耐えて、という試合になるね」