来たる6月6日に日本代表との親善試合を控えるブラジル代表。ネイマールやヴィニシウス、ロドリゴ、カゼミーロなど錚々たるメンバーが招集されている中、ブラジル国内ではパルメイラスで活躍するボランチ、ダニーロの初招集が驚きと共に報じられた。
■若くして実績十分
21歳の若手有望株は2020年にトップチームに昇格したばかりの逸材で、ベテラン顔負けの落ち着きで中盤を支配しながら、積極的な攻撃参加でダイナミックなゴールも決められる万能型プレイヤー。2020年にコパ・リベルタドーレスとコパ・ド・ブラジル(国内カップ戦)の2冠、2021年に南米連覇を果たしたクラブの原動力として大きく貢献してきた。
多くのブラジル人選手同様、フットサルをベースとした足元のテクニックにも定評があるダニーロについて、代表監督のチッチは今回のサプライズ招集の理由をこう語っている。
「違いを生み出せる選手のひとりだ。それは我々が前回のクラブワールドカップでも目撃した通り(パルメイラスが準優勝した2021年大会でブロンズボール賞を受賞)。この人選が正しいと証明できるよう、今回の遠征で道筋を探ってみるつもりでいるよ」
■ブラジル代表のカタールでの「戦い方」
加えて、チッチ監督は本番である2022カタールワールドカップ展望を以下のように語る。
「本番の26人を選ぶにあたり、攻撃面ではとにかく色々な可能性を考えている。特に我々には「小さな足」の世代(注:ブラジルで特にテクニックに秀でた選手のこと)がいる。私の中東での経験からも、向こうではフィジカルがモノを言うことはよくわかっている。ただ、そうしたフィジカル勝負の中で、速さとテクニックという選択肢を持っているのもまた、重要なんだよ」
自身が過去UAEのクラブで指揮をとった経験から、11月でも最高気温が25度前後に達するカタールにおいてはフィジカル面が最重要になるという見方を示した一方で、だからこそダニーロのようなテクニシャンの存在が違いを生み出すと説明した。
2021年のブラジル全国選手権8節、インテルナシオナル戦では、ダニーロが決勝ゴールを決めているのだが、このゴールがダニーロのどこに当たったのか、何度見てもわからない「意味不明ゴール」として話題になった。
今夏アーセナルへの移籍も噂されるダニーロ。さらなる飛躍のチャンスをつかむことができるか、注目したい。