近年のJリーグでは、スペイン人監督が増えている。J1のビッグクラブであるFC東京と浦和レッズも、今季はスペイン人監督に率いられているが、その手法はまったく別なものである。2人のチームづくりをサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■FC東京のメンバー固定の理由
FC東京は現在、負傷者が続出したため、DFラインは従来のメンバーと大きく顔ぶれを変えているが、攻撃陣はコンディション面さえ整っていればあまり変わらない。最前線にディエゴ・オリヴェイラを置き、右に永井謙佑、左にレアンドロまたはアダイウトンというのが明らかなファーストチョイス。そして、さらにメンバーが固定されているのがMFの3人で、青木拓矢をアンカーに置いてインテリオール(インサイドハーフ)には右に安部柊斗、左に松木玖生の先発はほとんど変更がない。
32歳のベテラン青木の前にまだ24歳の安部。そして、高校出の新人で19歳になったばかりの松木という構成だ。FC東京のインテリオール候補としては、東慶悟や三田啓貴、高萩洋次郎といったベテランや品川愛斗といった若手もいるはずなのだが、アルベル監督体制では青木、安部、松木が不動の存在となっている。
おそらく、ポゼッションを高めて、パスをつなぐサッカーに最も適した選手を中盤に配して、それを中核としてチームの完成度を上げていきたいのであろう。