■この日のマジョルカは簡単には折れなかった

 しかし、この日のマジョルカは簡単には折れなかった。

 マフェオが中盤でプレスをかけてボールを奪うと、右サイドに走った久保へパス。久保が折り返したボールをベダト・ムリキが収めてサルバ・セビージャへ落とすと、グラナダの選手が正面に2人重なりながらも、アウトサイドにかけてコントロールされたミドルシュートがネットを揺らした。

 今季ここまでの試合では、マフェオは久保を使わずに単独で攻撃をやり切ろうとする場面が多かったが、ここでは久保がアピールしながらランニングしたところを素直に使い決定機に繋げた。また、ムリキも自身で強引に狙うのではなく後ろに任せた。この試合がこれまでとは違う特別なものであることがプレーの選択に表れていた。

 同点に追いついたマジョルカは、個々がリスクを負った積極的な判断を下しながら逆転を狙い続ける。

 攻撃ではなく守備でもその姿勢は保たれ、35分にはグラナダの攻撃に対し、左サイドバックのハウメ・コスタが右サイドバックのマフェオよりも右にあるスペースをケアしに動いて防いでみせた。

 久保も守備で自身の担当エリアを大きく外れていても危険を察知してプレスに加わったり、背後からボールを奪ってみせたり、と攻撃以上に存在感を発揮し、試合は1-1で折り返した。

 前半の良い流れを続けたいマジョルカだが、後半キックオフから1分も経たないうちにセルヒオ・エスクデロにゴールを許してしまう。

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