【ヨーロッパリーグ分析】鎌田大地が小野伸二以来の栄光に挑む!大舞台「EL決勝」への鎌田の貢献度【ヨーロッパリーグ準決勝・フランクフルト対ウェストハム】(2)の画像
ウェストハム戦で躍動する鎌田大地 写真:AP/アフロ

UEFAヨーロッパリーグ 準決勝2ndレグ アイントラハト・フランクフルトvsウエスト・ハム 2022年5月5日(日本時間28:00キックオフ)】

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 フランクフルトがポゼッションをしながら攻撃し、ウエスト・ハムになかなか反撃をさせない展開の中、鎌田は流動的にポジションを変えて相手の嫌な位置に冷静に入り続け、そこから嫌な位置を狙い続けた。

 しかし、コスティッチと息が合わなかったり、見事なスルーパスがゴールラインを割ったり、とこの日は決してベストな日ではなかった。自身がシュートを放つ場面でも、65分にはハウゲからのボールを絶好の位置で受けながらコントロールしきれずにチャンスを逸してしまったり、68分にはシュートをミートしきれなかったり、と上手くいかず。直接的にゴールには関われないまま試合は終わった。

 もっとも、16分の退場の誘発という試合の運命を決定的にした働きだけでこの試合の勝利に多大な貢献は果たした。

 1stレグでの先制点の起点、追加点の奪取と合わせれば、鎌田なくして決勝進出はなかった、と言えるほどの貢献であり、決勝でもスタメンでプレーすることは確実だ。

 決勝では、そのプレーのクオリティだけでなく、落ち着きを崩さないメンタル面にも注目だ。

 この日のスタジアムは、クラブ史上初の決勝進出に向けて異様なテンションの高さだった。試合終了と共に大量のサポーターがピッチになだれ込んだが、試合中には発煙筒が焚かれ、相手のコーナーキックにはスタンドからプラカップやゴミが飛んだ。そんな雰囲気の中で、鎌田はチームメイトに対して落ち着きを促すジェスチャーを見せ、プレーと合わせてチームに冷静さをもたらした。

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