【チャンピオンズリーグ分析】元日本代表監督イビチャ・オシムの言葉を思い出す「ビジャレアルサポーターの光景」【CL準決勝ビジャレアル対リバプール】(2)の画像
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UEFAチャンピオンズリーグ 準決勝2ndレグ ビジャレアルvsリバプール 2022年5月3日(日本時間28:00キックオフ)】

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 修正が必須のリバプールは、ハーフタイムにディオゴ・ジョタをルイス・ディアスへと変更し、立ち上がりからトップのサディオ・マネのプレスをはじめとしたいつもの姿に戻ってみせた。

 ビジャレアルはスイッチを入れたリバプールに対し、ギアを落として冷静に立ち上がりの時間帯をやり過ごそうとしたが、これが命運を左右することになった。

 後方からリスクを負って攻撃に人数が掛かるようになったリバプールに対し、受けて足が止まる状態になったビジャレアルは62分、67分と立て続けに失点を喫してしまう。

 62分、中盤から持ち上がったファビーニョがモハメドサラーとのパス交換でエリアに入ると、クロスではなく思い切り良くシュート。これがヘロニモ・ルジの股下を抜けてゴールへ吸い込まれると、ビジャレアルは様子見ではなく意気消沈から疲労が一気に露わになり動けなくなってしまった。

 67分にはアレクサンダー=アーノルドが左足で入れたクロスに対してディフェンスラインの足が完全に止まってしまい、抜け出す形となったディアスがフリーの状態でヘディングを決めた。

 再び2点差を追いかける状況に陥ったビジャレアルは積極さを取り戻そうとするが、一度途切れたそれは前半のクオリティとは大きく異なり、やみくもに前がかりになるだけだった。

 74分にはフィールドプレーヤー全員がリバプール陣内に入ると、縦パス1本でサディオ・マネにハーフウェイラインから飛び出されダメ押しゴールを奪われて終戦。

 さらに、85分にはカプエが2枚目のイエローカードを受けて退場に。前半に躍動し続けた彼の退場は、後半に一気に上回られての敗戦を象徴するものになったが、ここでサポーターはスタンディングオベーションでピッチを去る背番号6を讃えた。

 それは今のチームのここまでの歩みを労うものでもあった。

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