■東北部では英語が通じない?

 サンダーランドでは強風以外にも悩まされたことがあります。そう、“東北弁”です。

 英国取材に行く前に、日本で活動している英国人記者に「サンダーランドに行くんだ」と話したら、「えっ、サンダーランド? 英語が通じないかもしれないから気いつけてな」と言われました。「東北部の訛りは、お前には理解できんやろ」というわけです。

 実際、“東北弁”の聞き取りには苦労しました。しかも、訛りは“東北弁”だけではありません。選手や監督の出身地はばらばら。当時のピーター・リード監督はリバプール出身ですから、当然マージーサイドの訛りがあります。売り出し中の若手、トーマス・バトラーはアイルランド出身でした。

 しかも、親切な広報担当者は次から次へといろいろな人を連れてきてくれました。ただ、「こいつはクラブのことに詳しそうだ」と思われたのでしょうか、誰かを連れてきても役職とか言わないのです。選手を連れてきた時にはファーストネームしか言ってくれません。しかし、いきなり「Who are you?」と尋ねるわけにも行きませんから、各地の訛りを聞き取って英語でインタビューをしながら「こいつは誰だ?」と探りを入れておかなければいけません(そうして、後で選手のリストを見ながら、「あいつは誰だったんだ」と確認するのです)。

 そんなわけで、クラブのオフィスでセクレタリーのマーク・ブラックバーン氏にクラブの経営状態についてインタビューした時にはホッとしものです。ケンブリッジ大学出身のブラックバーンは奇麗なクイーンズイングリッシュで話してくれたからです。

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