【チャンピオンズリーグ分析】レアルFWベンゼマの「2試合連続ハットトリック」完勝を呼んだ指揮官アンチェロッティの「どハマり」プラン【チェルシー対レアル・マドリード】(2)の画像
チェルシー戦の3点目を決めるレアル・マドリードのカリム・ベンゼマ 写真:ロイター/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント2回戦1stレグ チェルシーvsレアル・マドリード 2022年4月6日(日本時間28:00キックオフ)】

その1はこちら

 レアルの指揮官カルロ・アンチェロッティ監督が対チェルシー戦で用意したプランで、守備の最大の特徴は、フェデリコ・バルベルデを右ウイングとして起用したことだ。

 対人守備に優れるバルベルデの役目は、チェルシーの左ウイングバック、セサル・アスピリクエタを抑え込むことだった。リュディガーが高い位置を取り、それに押し出されるようにウイング化する、ということが多いアスピリクエタに対してバルベルデがつくことで後方の人数を確保。その結果、右サイドバックのダニエル・カルバハルはインサイドに対応できるようになり、プリシッチとメイソン・マウントを封じることに大きく貢献した。

 ビルドアップではトニ・クロースが巧みに動き、チェルシーのライン間にスペースを生んだ。左サイドバックのような位置を取ったり、降りてくる動きをしたり、あえて高いところに動いたり、という多彩なオプションを使い分けることで、自身についてくるヌゴロ・カンテのポジショニングをコントロールすることに成功。それによって生じたスペースをルカ・モドリッチやベンゼマが使い、ペースを握った。

  1. 1
  2. 2
  3. 3