11月に開幕するサッカー・ワールドカップの組み合わせが決定した。日本は優勝経験のあるスペイン、ドイツとともにグループEに入った。突破すれば、ラウンド16では前回惜敗したベルギーと再戦か。日本代表や大会全体をマクロ・ミクロの視点からとらえ、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■5人交代制をフル活用すべし
――全試合を愚直なまでに真面目に戦うより、前線でのかく乱など変化球も必要ということでしょうか。
大住「守備のことを考えると、前線からの圧力、相手に対する嫌がらせがすごく必要なんだよね。後ろがしっかりしているから守れるというわけでもなくて、前の方でいやらしいことをやったりするから、相手のパスが10センチずれたりして後ろが取れる、ということだから。それをやり続けないといけないんだよ。それが緩んだらダメ。5人交代制を活かして、前線の選手も2セット用意して、運動量を落とさない」
後藤「今は前線に絶対の存在がいなくなっているから、逆に言うと、いろいろな選手を毎回猫の目のように変えるようにしてもいい」
大住「初めて5人交代制が使われるワールドカップだから、世界中の監督がいろいろなことを考えると思うけど、前からの守備を大事にするなら、そういう考え方もあるよね。森保一監督は決まって60分を目途に選手交代をするんだけど、45分で代えても構わないと思うんだよね」
後藤「早めに動くのはありだよね。交代枠を増やす分、本大会の登録メンバーをこれまでの23人から26人にするという話も出ているくらいだから」