■今後も久保のベンチスタートは確定的か

 しっかり守ってカウンターあるいは2トップ頼み、というこの戦い方で久保を起用する必要はない。この試合、攻撃で自由を与えられたのは、右ではなく左のサイドバック・ウイングバックとして起用されたパブロ・マフェオだった。前線で守備を最低限こなす代わりに攻撃で脅威となれる選手よりも、脅威としての存在感は低く。失敗も多い代わりに守備で最後まで貢献できる選手。それがアギーレ監督が許容した最大のリスクだった。

 久保のベンチスタートは代表活動の披露を考慮したものだ、と見ることもできるが、同じく代表で離脱していたムリキとババはスタメンに名を連ねている(マルティン・ヴァルイェントはフィジカルに問題を抱えたためメンバー外)。

 残留争いの直接のライバルであるヘタフェに対し、ベストな布陣のために多少の無理をしない理由はなく、久保のベンチスタートは戦術的な理由、つまり今後もそうなることを予想させるものとなった。

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