サッカー日本代表はワールドカップ・アジア最終予選を戦い終え、B組2位での本大会出場が決まった。すでに出場権を手にしていた3月29日の最終戦では、ベトナム代表を相手に1-1で引き分けた。11月に始まるカタール大会への第一歩であるはずだった試合から、そこに至る道のり、さらに本大会でのどんな展望が描けるのか。サッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■総入れ替えはすべきではなかった
――本来、目にしたかった選手やプレーはどんなものでしたか。
大住「アンカーに柴崎岳という起用は驚いたけど、それ以外の先発メンバーは予想どおりだった感じがするんだよね。後藤さんは前回オーストラリア戦のベースを変えずに少しずつ変えていくのがいい、と話していたよね」
後藤「試合前日にも、そんな話をしたね。半分くらいはオーストラリア戦のメンバーを使って、残りは新しい選手を入れて、融合させて試す。ある程度テストが終わったら、5人交代できる今のルールを活用して、少しずつ代えてテストすべきだと思っていた」
大住「そうした方がよかったのは間違いないよね。最初の45分間を全く無駄にしちゃったからね。しかも点まで与えて。0-0で終わっていれば、まだよかったんだけど」
後藤「点を取られて目が覚めるかと思ったら、全然覚めなかったね」
大住「さらに悪くなっていた。取られ方もひどかったね。CKで完全にマークの数が足りなくなっちゃったからね。中山雄太は、“あっちを見ているつもりだったのに、これも見ないといけなかったのか?”とでもいう顔をしてたからね」
後藤「CKを与えた場面でも、なんであんなに守備が慌てるんだ、という与え方だったしさ」