■試合は一気にレアルの追い上げムードに

 そんな危ういバランスの鍔迫り合いを繰り広げながら試合は進み、39分、とうとうスコアが動く。均衡をギリギリ保っていたカルバハルが高い位置でボールを奪われると、ネイマールが一気にムバッペを走らせる。ミリトンの裏へ飛び出したムバッペはそのままゴール前に突き進み、大きすぎるゴールをついに奪った。

 3点が必要になったレアルのカルロ・アンチェロッティ監督は、57分にマルコ・アセンシオとクロースをロドリゴエドゥアルド・カマヴィンガにチェンジ。この交代が試合の流れを変えることになった。

 試合時間のためか、リードを広げたためか、あるいはその両方が影響してか、PSGの前線の守備は前半よりも緩いものになっていた。特にメッシは、先の8分の場面や、25分にルカ・モドリッチをペナルティエリア寸前で倒して止めた場面など、前半は守備でその姿を見せたが、後半はPSGでの定番の姿となっているピッチを漂うパサーへと戻っていた。

 PSGの高い位置での守備が弱まったことで、カマヴィンガがその能力を存分に発揮。長短を織り交ぜたボールを散らし、ヴィニシウスとロドリゴの両サイドに勢いをもたらすと、試合は一気にレアルの追い上げムード一色になった。

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