【チャンピオンズリーグ分析】トータル「0-2」の窮地で鮮やかすぎる「レアル指揮官カルロ・アンチェロッティの魔術」!【パリ・サンジェルマン対レアル・マドリード「誰もがレアルに行きたくなる理由」(1)の画像
レアルFWカリム・ベンゼマとパリ・サンジェルマンFWリオネル・メッシ 写真:AFP/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント1回戦2ndレグ パリ・サンジェルマンvsレアル・マドリード 2022年3月9日(日本時間29:00キックオフ)】

 1stレグでいいところなく敗れてしまったレアルは、試合開始から気合十分だった。MNMを並べたPSGに対し、フェデリコ・バルベルデを筆頭に受け身ではなく高い位置からプレスをかけてボールを奪う白いユニフォームの選手たちに、サンチャゴ・ベルナベウも開始直後から試合終盤かのような熱量で声援を送る。

 しかし、1stレグとは違うその戦い方は、PSGも想定済みだった。パリが1点奪えば、レアルは3点が必要になる。キリアン・ムバッペを最前線に残し、自陣ゴール前に人数をかけてカウンターで彼を最大限に活かすことを目指した。

 バルベルデが高い位置を取り続けるレアルは、ハーフコートマッチのような状態が目立ったことでPSGを押し込んでいる印象を与えやすかったが、実際にはPSGの方が相手にとって危険な存在であり続けた。

 8分、リオネル・メッシが自陣ペナルティエリアでカリム・ベンゼマからボールを奪うと、ネイマール、キリアン・ムバッペとボールが繋がって一気にゴール前へ。ここはティボー・クルトワが防いだものの、13分にはまたしてもムバッペが抜け出してクルトワとの直接対決に持ち込んだ。

 それでも、レアルはバルベルデに高い位置をとらせる戦い方を諦めなかった。受け身ではいけないことは1stレグで学習済みだ。

 しかし、バルベルデが守備に切り替わったタイミングで高いところにいることは、アンカーとして起用されたトニ・クロースの横が空くことを意味していた。右サイドバックのダニエル・カルバハルが横を埋めようとすれば、ムバッペがセンターバックのエデル・ミリトンといきなりスピード勝負に持ち込める状態になってしまう。かといってカルバハルがムバッペに対応しようとすれば、クロースの横のスペースをメッシとネイマールがフリーで使える状況になり、結果としてムバッペに良いボールが供給されることになる。

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