日本初の試みとなった女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が、中断期間を経て再開された。リーグが掲げる目標と理念は崇高なものであり、かつて世界の頂点に立った日本の女子サッカーは大きな可能性を秘めている。一方で、いきなりすべてが順調に進むわけでもなく、問題も散見される。「今」だからこそ見えるものから、サッカージャーナリスト・後藤健生が日本女子サッカー考察する。
■常勝軍団になるために必要なもの
同じような傾向は、日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属もしくはベレーザ出身選手が多い日本代表でも見られる。池田太監督になって前線でボールを奪ってショートカウンターという攻撃の形は出来てきているのだが、なかなかゴールが奪えないという試合が続いている。
1月から2月にかけてインドで行われた女子アジアカップでは“格下”相手でもなかなかゴールが決まらずに苦しんだ試合があったし、準決勝でも中国女子代表を相手に完全にゲームをコントロールしながら得点は延長戦を含めて2点だけで、数少ないピンチの場面で2点を決められてPK戦敗退という結果になってしまった。
ベレーザにしても、日本代表にしても、しっかりとボールを保持して攻撃の形を作っている時間帯にチャンスを得点に結びつける。あるいは、もっと積極的にシュートを撃っていく必要があるのではないだろうか。「相手が元気な時間帯にもゴールを決めきる」という強さを見に着けないと“常勝軍団”にはなれない。