■フェリペ・カルドーゾの圧倒的存在感
2列目の遠藤とともに右サイドでコンビを作った加藤だが、2人が絡む場面や追い越す場面はほとんど見られなかった。加藤のキープ力や組み立てを最終ラインに組み込めるのはチームにとって新たな武器となるだけに、距離感を修正できれば面白くなるかもしれない。
他にも、内田が積極的な姿勢で前に走れば、梁はボランチとしてリズムを作った。以前も仙台のボランチとしてプレーしたことはあったが、この試合ではさらに進化した姿を見せることができた。長らく攻撃的MFでプレーした10番は、今季はボランチを主戦場としそうだ。
杉本も連携不足は否めなかったものの、好プレーを見せた。GKは、昨季の鹿島戦で好セーブを連発したストイシッチの起用が濃厚と思われた中で、サプライズ起用でもあった。
そんな中で、この試合で最も可能性を感じさせたのがフェリペ・カルドーゾだ。昨季、開幕後の5月に合流したブラジル人ストライカーは、新潟を相手にテクニックとフィジカルを存分に披露。前線でタメを作るなど、新たな核となる姿を想像させた。
こうした新戦力の融合とトライも、すべては1年でのJ1昇格のため。10月23日、仙台が笑顔でシーズンを終わるために、チーム作りを加速してみせる。