■タレントが増えるほど募る悩み

 このように人材がさらにそろったが、悩みもある。どのように配置し、活用すればいいのかということだ。

 もちろんACLを見据えても選手層は厚いに越したことはないが、その効率的な運用が求められる。これは、ビッグネームがそろうほど、簡単なことではなくなる。

 昨季は4-4-2でフォーメーションは落ち着いた。トップ下にイニエスタが陣取り、前線には大迫勇也武藤嘉紀が2トップを組むというゴージャスな攻撃陣だ。

 だが、そのフォーメーションでは、中盤で余る選手が出る。中盤の底を本来の仕事場とする山口、扇原、セルジ・サンペールに任せてもいいが、そうなると汰木のポジションがなくなる。汰木を左サイドに置いてもいいが、イニエスタは前線に近い位置で働いてもらいたい。

 そこでひとつの解決策は、4-2-3-1の導入だ。4-4-2の右サイドハーフの位置からイニエスタに自由に動いてもらってもいいのだが、昨季途中に加わった時のように、武藤に右サイドを任せるのはひとつの手である。当時は4-4-2からだったが、うまく前線のスペースに飛び出していた。過去にもサイドでのプレー経験はあり、決して悪くない選択肢のように思える。

 そうはいっても、これだけの名手がそろったなら、フォーメーションにこだわるのではなく、ピッチ内の選手のフィーリングを大事にしてもいいのかもしれない。スタートポジションは決めつつも、自由に響き合い、進化していく。

 昨季の3位も、無理なくたどり着いた印象だ。自然な歩みで、その先へ。そんな結末が待っていてもおかしくはない。

 

タスク:「リーグ優勝」
達成難度:★★★★☆

(17)へ続く
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