■レアルが防戦一方に
同時に、中盤のダニーロ・ペレイラが最終ラインに下がることでトランジションに対する安定感も備えた。ダニーロは、カウンターに対しては受け手を肉弾戦で制し、慌てずに守備ができる状況ではトニ・クロースを消すことに成功。
それによってフェルラン・メンディの前進は叶わず、出しどころが限定された状況にルカ・モドリッチのミドルパスが精度を欠く場面も目立ち、レアルは攻撃に転じてもアタッキングサードまでまともに進むことができないまま時間が過ぎていった。
ワイドに開いたヴィニシウス・ジュニオールになんとかボールが届いても、その時には既にPSGの4-3の2列がペナルティエリアに収まるほどコンパクトに戻りきっており、前線の3人以外の押し上げがないレアルは、圧倒的な数的不利で攻撃を完遂しなければならず、カウンター主体の戦い方が機能しているとは言えなかった。
結局、前半のレアルは枠内シュート0。シュート数そのものも僅か1本で、コーナーキックも1本だけという防戦一方の展開となった。
後半も展開は変わらず、PSGがボールボールを持ってレアルを押し込み続ける。
ただし、防戦一方のレアルの守備は堅かった。ダビド・アラバとエデル・ミリトンのセンターバックコンビに中央を閉ざされると、メッシが起点を担う代わりにワンプレーでゴールに直結する場所でボールを持つことが少ないPSGもまたゴールが遠かった。