日本代表DFを振り回した江坂

――キャスパー・ユンカーがいなかった、この試合のような前線の形もアリですか?

大住「江坂任のゴールは、2本とも素晴らしかったよね」

後藤「点を取るだけじゃなくて、組み立てもやっていた。去年の浦和で何が一番の成功かって、江坂がはまったことだよ。コンスタントに働いたし、浦和に来て江坂も才能を花開かせたよね」

大住「ああいうシュートを1試合に1点ずつ決めていったら、すごいことだよね。1点目は非常に難しいシュートを正確に左隅に送り込んだ。2点目のときの、シュートを打つ振りをして左に持っていき、GKの逆へ低くて速いシュートを打つプレーのアイディア。本当に素晴らしかったよね」

後藤「相手DFは、ワールドカップ予選で日本代表を救った谷口彰悟だった。完全に振り回していたよ」

大住「江坂も良いし、明本考浩が本当に使い勝手の良い選手なんだよ。左のウィングもサイドバックも、CFもできる。FWの位置に置いておいたら、とにかくガンガン相手を追い詰めてくれるし、ヘディングもできる。特別感謝状をあげてもいいくらい。

 この試合で明本は、38回もスプリントしたんだよね。去年の浦和は、1試合の平均スプリント回数が20チーム中17番目だったのに、この試合では去年の1試合平均163回の2割増の197回を記録した」

大住「走行距離はそれほどでもないのにスプリントが多いというのは、狙いを持ってやれているということだよね。しかも相手が走らなかった」

後藤「そうそう。川崎はもともと走らないチームだけど、走る選手と走らない選手の差が大きかった。レアンドロ・ダミアンが走っても周りの選手が走らないから、全然プレスがかからない」

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