2月12日にJリーグの今季初の公式戦となる富士フイルムスーパーカップが行われ、浦和レッズが川崎フロンターレに勝利した。J1開幕1週間前のこの試合は、リーグの行方にも大きな影響を持ち得る。今季初タイトルを懸けた一戦が2022年のJリーグに投げかけた要素について、ベテランのサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が熱く語り合った。
■浦和は意図どおりに勝った?
――まずは、浦和と川崎の試合についての印象を聞かせてください。
大住「浦和は良かったよ」
後藤「浦和は勝ったし、川崎は負けた。当たり前だけど、その両面があるよ」
大住「前半の半ば、15分頃から十数分間の浦和は、ガードを固めたボクサーがボコボコに打たれているようだったけど、後半は押されながらもうまくジャブを出しつつ試合をしていた。ずいぶん、試合の運び方が良くなった感じがした」
後藤「守って速攻で点を取る、という戦い方がはっきりしていた。相手が川崎だからああいう戦い方になったのか、シーズンを通してそういう戦いをしていこうとしているのか。僕は後者じゃないかと思うね。つまりは、ワシントンやポンテがいた頃の浦和に戻っているのかな、という気もする。でも、それを90分間やり通して勝ちましたよね」
大住「ボールをできるだけ保持して、相手ボールになったら前からプレッシャーをかけて奪い返して、また攻め続けようという意図ではあるんだよ。最初の15分間は、それをかなり表現できたけど、その後、ボールの取りどころがなくなった」