2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■もはやエレベータークラブではない
もはや、J1昇格とJ2降格を繰り返していたエレベータークラブの面影はない。3シーズン連続で2ケタ順位だったものの、昨季もネガティブな印象を残す戦いぶりではなかった。
北海道コンサドーレ札幌が現在の姿に至るのに、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の貢献が絶大であったことに異論の声は少ないだろう。もちろん、Jリーグの新チェアマンとなる野々村芳和会長による招へいあればこそだが、この智将がチームを次のステージへと導いた。
サンフレッチェ広島などで用いた可変システムは「ミシャ式」と呼ばれたが、札幌でも独創的なサッカーを浸透させている。フルコートでのマンツーマン・ディフェンスなど、既成概念にとらわれない「ミシャ式フットボール」の展開が続く。